Uber Eats 代理店デリバリー出店サポート1,000件超え

店頭同価格のデリバリーは得?
出前館の決算から考える、
お店のデリバリーの戦い方

公開 更新 文 LTT 編集部(Uber Eats 代理店)
店頭のメニュー表とデリバリー用の価格メモを並べ、電卓で見比べる店主の手元

この記事のポイント

  • 出前館は2026年8月期、店頭と同じ価格で頼める「お店価格」を約25,000店舗に広げ、2026年3月以降の注文数は前の年を上回りました
  • 次の3か月(2026年9〜11月)は売上が前の年の1.2倍超、営業利益は黒字の見込みです。Uber Eats・Rocket Now も店舗や利用者を増やし、デリバリー業界は盛り上がっています
  • 店頭と同じ価格で注文を取りに行くか、価格はそのままで中身でリピートを積むか。決め手は、お店がどんな場面で選ばれたいかです
店頭と同じ価格で出すか、お店の数字で一緒に考えますデリバリー出店サポート1,000件超え/ご相談から導入まで無料 フォームで相談LINEで聞く

2026年10月15日、出前館が2026年8月期の決算を発表しました。

店頭と同じ価格で頼めるお店を一気に増やし、送料無料も続けて、注文を大きく伸ばした1年でした。次の3か月は黒字の見込みです。

この動きは、デリバリーに出しているお店の値付けにも関わります。決算資料の数字をもとに、お店がどう考えればよいかをまとめます。

出前館の2026年8月期、何が起きた?

「お店価格」と送料無料で注文を伸ばしました。2026年3月以降、注文数は前の年を上回っています。

  • 108%注文数の前年比(2026年6〜8月)
  • 1.2倍超売上の見通し(2026年9〜11月)
  • 約2.5万店「お店価格」の参加店舗

出前館の決算説明会資料の数字です(2026年10月15日公表、2026年11月2日確認)。

1年間の売上高は391億円です。クーポンの計上方法を変えた影響を除いた参考値では、前の年の102%でした。

営業損失は83億円(前の年は49億円)です。注文を伸ばすために、値下げや送料無料にお金を使ったためです。

次の3か月(2026年9〜11月)は、売上110〜115億円(前の年の122〜128%)、営業利益は黒字と見込んでいます。

「店頭と同じ価格」に参加するか、一緒に決めます出前館・Uber Eats・Rocket Now、それぞれの出し方をご案内します フォームで相談LINEで聞く

「お店価格」と送料無料で、注文は戻った

店頭と同じ価格で頼めるお店を増やし、送料も出前館が負担したことで、2026年3月以降の注文数は前の年を上回りました。

「お店価格で出前館」

  • 始まり:2025年9月、地方5都市の250店舗から始めました
  • 全国へ:2026年3月に全国へ広げ、8月には約25,000店舗になりました
  • 注文の伸び:2026年3月の参加店舗の注文数は、参加前の平均2.9倍でした(2026年4月1日の出前館の発表)

送料無料

出前館が届けるお店が対象で、送料は出前館が負担しています。サービス料などは別にかかります(2026年4月1日の発表時点、終了時期は未定)。

注文数の動き

出前館「2026年8月期通期決算説明会資料」の主要KPIから作成(2026年11月2日確認)。3か月ごとの注文数です。
3か月注文数前年同期比
2025年6〜8月1,492万件89%
2025年9〜11月1,387万件93%
2025年12月〜2026年2月1,322万件85%
2026年3〜5月1,659万件108%
2026年6〜8月1,605万件108%

全国に広げた3月以降、注文数は前の年を上回りました。

2026年6〜8月の内訳を見ると、出前館が届ける注文は1,254万件で、前の年の同じ時期(1,037万件)から増えています。

お店が自分で届ける注文は、455万件から350万件に減りました。

値下げしても利益が残るか、計算をお手伝いします店頭のメニュー表をお送りいただければ、加盟店手数料を入れて確かめます フォームで相談LINEで聞く

注文を伸ばすための投資と、黒字への道筋

値下げや送料無料のぶんを出前館が負担して注文を伸ばし、その後は毎月の赤字が小さくなって、黒字が見えてきています。

月ごとの営業損失は、全国展開を始めた2026年3月が12.1億円、4月が14.0億円と大きく、その後は小さくなっています(8月は6.5億円)。

2026年9月(暫定値)は0.9億円まで縮みました。出前館は、2026年9〜11月の営業利益を黒字と見込んでいます。

出前館にとって、この1年は注文を伸ばすためにお金を使った年でした。注文の土台ができ、ここからは伸ばした注文を利益につなげる段階です。

お店にとっても同じです。価格で来てくれたお客さまに、2回目以降も選んでもらえるかが分かれ目です。

お店の目的に合わせて、出し方を一緒に決めます空き時間を埋めたいのか、利益を残したいのかから伺います フォームで相談LINEで聞く

お店のデリバリーの戦い方は2つ

店頭と同じ価格で注文数を取りに行くか、価格は保って中身でリピートを積むか。お店がどんな場面で選ばれたいかで決めます。

どちらが正しいということはありません。お店の目的で選びます。
A 店頭と同じ価格で注文を取るB 中身でリピートを積む
やること「店頭と同じ価格」のしくみに参加し、割引にも乗る加盟店手数料を入れた価格で出し、味・量・届いたときの状態を整える
向いているお店空いている時間を埋めたい。まず知ってもらいたいデリバリーでも利益を残したい。長く続けたい
気をつけること1件あたりの利益が薄くなる。注文が急に増えたときの受け方すぐには注文が増えにくい

A は「広告」や「空き時間の売上」と割り切れるなら、筋の通った戦い方です。

B は、2回目以降の注文で差がつきます。1回目は価格や評価で選ばれても、また頼むかは味と量、届いたときに冷めていないか、崩れていないかで決まります。

当社がお手伝いしているお店で見えていること

A の例:店頭と同じ価格にしたお店では、注文が大きく増えたところもあります(出前館の発表では平均2.9倍)。

B の例:価格を下げずに、リピートで伸びているお店もあります。たとえば、3,000〜4,000円台で握り10貫を出しているお寿司のお店です。

安さで選ばれているわけではありません。「この値段でこの中身なら」と思ってもらえる、値段に見合う満足感で選ばれています。

頼まれる場面もはっきりしています。週末の家族の時間、お家での集まり、何かのお祝い。「この日はあの店の味にしよう」と、決まった場面で選ばれています。

毎日の食事で安さを比べられるお店と、特別な場面で名前を指して頼まれるお店では、勝ち方が変わります。

自分のお店がどちらで選ばれたいかを考えると、価格の決め方も見えてきます。

A を選ぶなら決めておくこと

  • 受けきれるか:注文が急に増えても回るか。品切れや受付停止が続くと、評価や表示に響きます
  • 利益が残る品:店頭の価格のままで、加盟店手数料を払っても利益が残る品はどれか
  • やめどき:割引をいつまで続けるか

Uber Eats も2026年3月に「お店と同じ価格」を全国約1万8千店舗で始めました。Rocket Now には「お店と同価格」の申し込みがあります。

Rocket Now のしくみはRocket Now の出店方法の記事で紹介しています。

消費税1%に向けた価格の見直しも、ご相談ください加盟店手数料と容器代を入れて、利益が残る価格を考えます フォームで相談LINEで聞く

盛り上がるデリバリーと、お店のコスト

デリバリーは3社とも店舗や利用者を増やし、審議中の食品の消費税1%が実現すれば、追い風も加わります。一方で、お店のコストは上がり続けています。

  • 3社とも拡大:出前館は注文数が前の年を上回り、Uber Eats は注文を受けた店舗が14万店を超えました(2026年10月)。Rocket Now のアプリは累計800万ダウンロードです(2026年9月)
  • 消費税1%:食料品の消費税を2027年4月から2029年3月まで1%にする法案が審議されています。出前館も決算資料で、市場全体の追い風と見ています
  • 人件費:最低賃金の全国加重平均は、2024年度の1,055円から2026年度は1,177円に上がりました。2年で122円、約12%です(厚生労働省)
  • 2年後:2029年4月には、税率が8%に戻る予定です。税率の安さで来たお客さまは、戻ったときに離れやすくなります

注文が集まりやすい今は、お店にとって始めどきです。価格を下げられないお店があるのも自然なことなので、下げるなら、どこで利益を残すかを先に決めておきます。

税率の変わり方と準備は、食品の消費税1%の記事で詳しく取り上げています。

出前館・Uber Eats・Rocket Now、まとめて相談できますデリバリー出店サポート1,000件超え/ご相談から導入まで無料 フォームで相談LINEで聞く

まとめ

デリバリーは盛り上がっていて、店頭と同じ価格には注文を増やす力があります。どう出すかは、お店がどんな場面で選ばれたいかで決めます。

  • 出前館は2026年8月期、「お店価格」と送料無料で、3月以降の注文数を前の年より増やしました
  • 次の3か月は売上が前の年の1.2倍超、営業利益は黒字の見込みです。Uber Eats・Rocket Now も拡大を続けています
  • デリバリーの戦い方は「店頭と同じ価格で注文を取る」か「中身でリピートを積む」か
  • 審議中の消費税1%が実現すれば、2027年4月に価格の動きが大きくなります。2029年4月に8%へ戻ることも見込んで決めておきます

よくある質問

出前館の「お店価格」とは何ですか?
店頭と同じ価格で注文できるお店を、出前館のアプリで示すしくみです。2025年9月に地方5都市の250店舗で始まり、2026年8月には約25,000店舗が参加しています(出前館の決算説明会資料、2026年11月2日確認)。
店頭と同じ価格で出すと、注文は増えますか?
出前館の発表では、2026年3月の参加店舗の注文数は、参加前の平均2.9倍でした。当社がお手伝いしているお店でも、注文が大きく増えたところがあります。ただし加盟店手数料がかかるぶん、1件あたりの利益は薄くなります。お店の原価と合わせて考えましょう。
Uber Eats や Rocket Now にも同じようなしくみはありますか?
あります。Uber Eats は2026年3月に「お店と同じ価格」を全国約1万8千店舗で始めました。Rocket Now には「お店と同価格」という申し込みがあり、すべての商品を店頭と同じ価格にするとバッジが表示されます。
消費税が1%になったら、デリバリーの価格は下げるべきですか?
決まった答えはありません。2年後の2029年4月に8%へ戻る予定もあるため、加盟店手数料と容器代を入れた利益で決めましょう。

出前館の数字は、同社の決算説明会資料と発表からとっています。今後の見通しは会社の予想で、変わることがあります。

参考にした情報(7件)
  1. 出前館「2026年8月期通期決算説明会資料」(2026年10月15日) https://corporate.demae-can.co.jp/ir_information/library/doc01.html(2026年11月2日確認)
  2. 出前館「『お店価格で出前館』対象店舗が15,000店舗を突破」(2026年4月1日) https://digitalpr.jp/r/132068(2026年11月2日確認)
  3. Uber Eats Japan「Uber Eats、『お店と同じ価格』発表会を実施 全国約1万8千店舗で導入開始」(2026年3月19日) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000078.000127691.html(2026年11月2日確認)
  4. Uber Eats Japan「Uber Eats Japan、10周年記者発表会を実施」(2026年10月13日) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000093.000127691.html(2026年11月2日確認)
  5. CP One Japan「フードデリバリーアプリ『Rocket Now(ロケットナウ)』が累計800万ダウンロードを記録」(2026年9月3日) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000161570.html(2026年11月2日確認)
  6. 厚生労働省「全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75950.html(2026年11月2日確認)
  7. 国税庁「消費税の軽減税率の引下げに関するQ&A」(食品の消費税1%の記事で引用。2026年10月26日確認)

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